黄砂の道  北国の風

前回からの続き
東北道を北に上り、一路、北上ジャンクションを目指す。今日は9月12日金曜日、天候は快晴、絶好のドライブ日和となった。



この週は比較的天候が安定しており、それまでは秋雨前線の影響で大荒れの日が続いていたのだが、女心と秋の空と謂われるように何時また荒れ模様の天候に戻るとも限らず、出かけるなら、少しでも安定した日を見計らって早めに出かけるに越したことはないと思ったのである。



結局のところ、地震の影響と額に切り傷を作った所為で、それは不吉なことと思い、津軽半島の突端、竜飛崎行き は取りやめとしたのだった。しかし、この時期のドライブを完全に諦めることは出来ず、代わりにいろいろと物色した結果、秋田県の男鹿半島なら好かろうと思ったのである。日本海の深い方なら仮に北海道で地震の余震が発生してもそれほど影響があるまいと判断したことと、男鹿半島は子供の頃、一度だけ訪れた記憶があり、そのようなところはもう一度行ってみたいと思うものなのである。



子供のころ、いまからおよそ50年も昔のことになろうか、両親に連れられて私たち兄弟は男鹿半島へと向かったのだった。それは、微かな記憶をたどってみる覚束ない幻のような思い出でしかないのだが、真夏の太陽が照りつける男鹿半島の展望所で日本海を観ながら休憩していたとき、夏とは思えない強風が吹き荒れ、干拓地から砂塵を巻き上げて私たち兄弟を襲ったのだった。



冬であれば北国特有の西風には慣れっこの私たちにもそれは異様なことと思え、子供心にもこの地は一年中強風の吹き荒れる風の大地のように映り、以来、記憶の彼方に恐ろしい風の地として刻み込まれたのであった。



長者原SAで小休止しルートを確認したあと、幌を上げて再び走り出す。風に吹かれて周辺の田園から肥料の匂いが飛んでくるが、これも男鹿半島行きに対する自然の祝福と解釈し、この先行くところの50年後の世界に否応なく期待が膨らむのであった。



思えば、この車による長距離ドライブもこれが最後になるかも知れない。9月の車検を切目として手放すことにしたのである。未だ5年しか乗っていないのでこの先、十二分に使うことは出来るのだが、いろいろ訳があって4人ほど乗れる車が必要になってしまったのだった。全く残念極まりないことなのだが、とかく、世の中、思い通りにはいかないものである。



次の候補として、こちらは寒い土地で冬は道路も凍結するので、4駆が良かろうと思い試乗を重ねたのだが、FFベースの4駆ではまるで空を飛んでいるような運転感覚で路面からの情報がハンドルに伝わってこないのである。運転しているとき、路面状況のリニアな感覚がないと不安になるものである。ましてや、遮音が過度に効きハンドルに路面情報が伝わってこないと暗箱の中に閉じ込められたも同然で不安を通り越して奇異にすら感じてしまう。これでは運転中あまりの退屈さにうっかりすると眠くなってしまいかねない。このような車は、どんなに運転が楽といわれても危険極まりない種類の車としか思えないのであった。
しかも、セールスマン氏いわく、2駆も4駆も滑ってしまえば同じ、4駆は滑り出し速度が高い分、事故も多いとのこと。



では、FRベースの4駆はどうかと試してみたが、高速などでは正にオンザレールの微塵の揺らぎもない安定した走行性能に感心させられるところがあったが、如何せん足が硬い。もともと後輪駆動であるところを無理に前輪にも駆動力を分散させるところから、4輪でしっかり路面をとらえる必要があるのだろう、ガチガチに締め上げた足となっているのだった。それに、4駆機構が無視できないほどの重さを感じさせ、ドライブフィーリングを鈍にしているのだった。



冬の凍結路面のことを考えるとき、FRベースの4駆でもやむなしと思うのだが、一度ナビ付きの車に乗ってしまうとナビなしでは運転できなくなってしまうのと同じように、このような4駆に一度乗ってしまうと後戻りできなくなるかもしれないと思い、以降、ずっと4駆に乗り続けなければならないのかと考えるとき、ひどく躊躇させられるものがあった。


画像



車はやがて北上ジャンクションを過ぎ秋田道へと進んでいき、そして、最初のサービスエリア錦秋湖SAに到着した。車を停めると、夏とは思えない北国特有の強い風が吹いていた。


次回へ続く





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