LAST VAIO 購入記  その3

前回からの続き
Windows8.1から性能評価指数を示すWindowsエクスペリエンス・インデックスが消えてしまったことはある意味、MicroSoftとIntel連合の苦悩の現れと見ることができる。



数年前なら新しいノートPCが発表されるたびにCPU性能やグラフィック性能が旧モデルよりどれだけ進歩しているかが顧客に受け入れられる条件であった訳だが、携帯電話から派生したTablet端末の出現により事情が変わってしまった。



それは、「簡単操作+低機能=誰にでもお勧め」をコンセプトとして、且つ、低価格で購入できることからWEB-Viewerとしての市民権をしっかりと獲得し、難しいことはクラウド任せ、思考力のいらないお手軽オシャレアイテムとしてギャル子・ギャル男達にたちまち浸透しあたかもノートPC市場を喰いつぶすかのように振る舞いだした。



しかし所詮、ViewerはViewer、できることは限られている。低消費電力ゆえのプアなCPUとメモリ容量、iOSやAndroidなどの軽いOS、機能の大半はタッチ画面に対する操作性に費やされているので、使い勝手は良いがこれを利用してクリエイティブな何かをできるわけではない。あくまでおもちゃ感覚でNETに個人情報をシェアしたり雑誌を読むように社会事情を流し観したりゲームに興ずるだけの用途。Tabletで何かをやるためにはクラウド側の圧倒的なサポートが必要となるのである。


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それをどのように判断を誤ったのか、Intel-MS連合はノートPCに対する挑戦と受け止め、正面激突戦略に出てしまった。従来、ノートPCではデスクトップPCと同等の処理ができるようモバイルでありながら高性能を開発の基本コンセプトとしてきたところ、性能を犠牲にしてでも低消費電力仕様に振ってしまったのである。そしてOSもまた然り、従来のWindowsの上にタッチパネル機能を付加しモダンUIと称してマス目画面のWindows8を売り出したのである。



純正Tabletと比べると複雑なCPU、重いOS、多量のメモリが必要、遅い立ち上がり時間、高い製造コスト、簡単にはいかないOSバージョンアップと、勝てる要素がないにもかかわらず敢えてTablet市場とノートPC市場を同一視しWindowsOSとIntelCPUで立ち向かった云わば二兎追い作戦に出たわけであるが、勝負はやる前から明らか。二兎を追うもの一兎も得ずのことわざどおり、Tablet市場では完敗、のみならず、ノートPC市場でも伝統的なWindowsユーザから総スカンを喰ってしまった。



モダンUIとかいうWindows8の扁平マス目画面は従来のUIから見ると明らかなグレードダウンにしか見えない。しかも複数のウインドウを重ねるとかできずTabletの小さな画面のために目いっぱい無駄に広がるだけだ。これでは、伝統的なWindowsユーザには受け入れられるはずもない。



また、二兎追い作戦は市場に誤ったメッセージをも送ってしまった。ノートPCユーザは機械のことなど何も知らない普通の人々が大多数だから、そのような人たちが更改検討時に製品レインジをノートPCの範疇からTabletの範疇まで広げてしまったのである。何故なら見た目、外観とか画面表示デザインとか区別できないほどノートPCがTabletにすり寄ってしまったからそれらが実現できる機能性能まで同じと大きな誤解を与えてしまったのである。二兎を追うつもりが、自らの戦略ミスで既存ユーザを失う結果に。



コンピュータ市場ではパラダイムシフトという歴史的激変を何度となく経験してきたが、いま正にそれが起こっている。IBMの大型コンピュータ時代にSunMicroSystemsがワークステーションでそれに取って代わり、ワークステーション時代にパソコンがそれに取って代わり、そしていま、パソコン時代にTabletが取って代わろうとしている。そのことは当事者であるIntelやMSが一番よく知っているはずなのだが、激しい歴史の奔流に逆らうことができないほど時代の変化は劇的なのだと言えよう。



PCの進化を示すバロメーターであるエクスペリエンス・インデックスを隠さなくてはいけないほど、その進路を迷い出したIntel-MS連合、パラダイムシフトに逆らっては存在すら許されない歴史の事実。ここは潔く方針変更するしかあるまい。ノートPC市場とTablet市場は別物としそれぞれの市場に適した製品供給に徹することである。相互の互換性や乗り入れなど努々考えてはいけない。そもそも本質の違うものどうしなのだから。


次回へ続く







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