中川殺しは宦官の陰謀

風邪を引いたときのランチでワインを飲み風邪薬を服用しても、ろれつが回らなくなるほど悪酔いするものではないことは、実経験として 知っていたので、中川の釈明は明らかな嘘だと直ぐに分かったのだが、同じ酒飲みとして、ランチの時にどれくらいワインを飲むと、ろれつが回らなくなるほど酔うものなのか、辞任した中川の真似をして試してみた。

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近くのアウトレットにイタリアンがあるので、土曜の午後遅く空いている時間帯を見計らって入り、500mlのディキャンタを頼んだ。グラスワインをお代わりするだけでは実験の目的に達しそうもないことは明らかだったし、通常、ボトル1本は約630mlなので、ほぼそれに近い量となる。いっそのこと、ボトルを頼めば良かろうに思われるだろうが、手頃なハウスワインはディキャンタでした置いていなかったのである。それに、中川が取り巻きの連中と一緒にローマのホテルでランチを取った際に、ウェイターがボトル1本分を一人の客だけに注いでくれるとは到底思えなかったからでもある。



食事の方もなるべく同じ仕立てにしようと、前菜は本日お勧めの魚介類のカルパッチョ、メインディッシュはウニとイカのバターソーススパゲッティを頼んだ。

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午後3時頃からスタートして酸味の利いた白ワインが結構美味いと思って飲んでいると、何故か前菜とスパゲッティが同時に出てきた。本場のイタリアでは有り得ないミスである。必ず、前菜の食べ終わる頃合いを見計らって次の料理を出すことが鉄則なのだが、形だけ真似するイタリアンではファーストフードと変わらないチープなサービスしか提供出来ないようだ。本来なら、スパゲッティをその場で返し、頃合いを見計らって作り直せと言いたいところだが、そこまで角を立てて言うことでもあるまいと思い直し、そのままテーブルの上に置いてもらった。



バルサミコで味付けしたカルパッチョは魚介の新鮮さもあり、口に合い結構イケル。そして、やや冷めかけて硬くなりかけたウニとイカのスパゲッティも濃厚なバターソースがパスタに絡みつき、ここ暫く味わったことのない美味しさに、ふと、昔、シシリーで出会った 生うにスパゲッティを 思い出してしまった。それは、タオルミーナという町のマッフェイズというレストランなのだが、そのスパゲッティは、まるで単なる素麺の様にしか見えないにも拘わらず、いざ一口、口の中に入れるや、途端に頬いっぱいに潮の香りが拡がる芸術品であった。
それに比べると、この店のウニスパは濃厚なソースで勝負する現実的というかまっとうなものであるらしいが、それなりに美味い。味の歯切れ良さが好きな方にはお勧めかも知れない。



さて、このようにして前菜とスパゲッティを食べ終えるまで、ものの30分も掛からなかった。その間、水代わりにワインを飲みっぱなしである。前菜のバルサミコ味と言い、スパゲッティのウニバターソースと言い、素だけでは濃厚過ぎてとても食べ続けられない。イタリアンには必ずワインが必須なのだ。そうでないと食を存分に味わうことは出来ない。



そして、イタリアでランチを食べるときはタップリ2時間は要することを考えるとき、彼の地のレストランでは、たゆたう時間を楽しむサービスが味わえることに比し、この地のそれでは慌ただしく時間に追われるばかりであることを嘆かわしく思う。
同じワインを飲むにしろ、短時間で忙しなく飲む場合とゆっくり時間を掛けて精神を浄化するように飲む場合では酔い方も違ってくるはずである。時間を掛けるほど、アルコール分解もすすみ、悪酔いしないのである。更に、イタリアでは、乾燥した空気の所為で飲んでいる側からアルコールも汗と共に蒸発してしまうので、尚更、酔いが回ることは少ない。



昔、某研究所にいた頃、ポステ・イタリアーネを訪問する機会があった。午前中のミーティングのあと別室に移り、そこでランチをごちそうになったのだが、当然のようにシャンパンで乾杯しワインやグラッパを頂いたのである。



ま、そうはいってもイタリア人だって真っ昼間からそんなに飲むわけではなく、テーブルに並ぶグラスは、かなり形式的であり、飲みが始まってもほんの1グラスか2グラス、多くてもハーフボトルで止めておくようである。日本で言うところのお茶一杯、二杯を飲むという感じだろうか、酔わない程度に自己責任で飲む、それがマナーのようなのだ。午後はシエスタで昼寝した後、仕事しなければいけないし、自宅に戻って昼食を取る人は車だって運転しなければいけない。あからさまに酔っ払い運転は出来ないのであろう。



中川がホテルでランチを取ったとき、財務省幹部を交えて10数名いたという。当たり前のようにウェイターがワインの注文を取りに来るので、人数分に見合うだけのボトルを頼んだのだろう。各人、飲んだ飲まないと言っているが、ワイン飲まずしてイタリアンが食べられるはずもなく、中川と同じ酒飲みだけに強くそう思うのである。そして、ウェイターが酒のサービスをするとき、一人だけに注ぐはずもなく、全員のグラスにワインを注いだ。飲み始めて、グラスが空いてもウェイターが注いでくれるまで待つことがマナーであり、中川が自分自信でボトルを手に取り手酌をすることなど有り得ない。ワインボトルはテーブルの上に置いているのではなく、ステンレス製のワインクーラーの中で氷に冷やされてサイドテーブルの上に置いてあるからだ。ウェイターがサービスする以外、手が出ないのである。



そして、ここが一番肝心なことなのだが、ウェイターは客が酔わない程度にサービスすることが、特にホテルなどのレストランでは徹底されている。客が泥酔するほど、酒を注ぎ続けることなど絶対に有り得ないことなのだ。それが、ランチなりディナーなりでの酒のマナーであり、サービスを提供する側のしきたりでもある。日本の赤提灯などのイケイケドンドン商売とは訳が違うのである。



さて、結論を急ごう。ランチでワインを飲み過ぎて、ろれつが回らなくなるほど酔うことなど有り得ない。
それは、イタリアのランチマナーを経験していれば分かることであり、そして、実際にワインを500mlほど短時間で飲んでみたランチ実験でも明らかだった。
それだけで悪酔いすることなどあり得ず、むしろ、気分を高揚する前向きの効果が大きいと言えよう。



では、何故、中川はあのような泥酔会見を開いたのか? そして、それに続くバチカンでの破廉恥行為へと続いたのか?



全ては謎と言わざるを得ないが、前日からのフライトや時差ボケで疲れが溜まってはいただろう、飛行機の中でずっと飲みっぱなしだったかもしれない、二日酔いのまま午前中の会議に臨み、ミッション終了となった後のランチでは気が緩んだのかも知れないが、酩酊するほど飲むにはワインボトル1~2本は必要であり、酒癖が悪い酒豪と言われる身にはそれでも十分ではないかも知れない。



それにしても、中川を諫めなかった財務官僚の責任は重い。世界同時不況、戦後最大の経済危機を話し合う国際会議の場で、二日酔いのまま臨んでよいものだろうか、国を想う憂国の忠誠心があれば然るべき手だてを講ずるべきだったのではないだろうか。



それを為すがまま、寧ろ悪酔いする薬を一服盛られたようにも見える破廉恥ニュースを世界中に拡げ、日本の信用失墜を招いてしまったことには、意図的な匂いを感ぜざるを得ない。中川失脚を端に内閣を崩壊させる。麻生内閣を官僚が見限ったのか、あるいは、官僚にとって不都合なことを隠蔽しようとしているのか、かんぽの宿売却問題など、ほじくり返されたくない問題に封をしたいとしか思えないのである。



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バチカンのサン・ピエトロ大聖堂に登り、最上階の展望回廊から観るローマ市内は赤い煉瓦色に染まっている。紀元前から延々と続くローマ帝国の都は、2000年以上も続く歴史の遺跡でもある。しかし、それはまた、2000年に渡る政争と陰謀の壮大なる舞台でもあるのだ。



中川はバチカンを訪れながら、酔ったその千鳥足ではこの大聖堂の急峻な展望回廊までは登って来れなかったに違いない。折角、世界を制覇したローマ帝国中枢の天楼に近づきながら、遂にそこに辿り着くことは出来なかった。代わりに、宦官がその陰謀を謀るとき、展望回廊から見渡すローマの火炎に遠い日本の混乱が重なるように見え、大きく高笑いしたのである。









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この記事へのコメント

記者
2009年02月23日 15:56
記者との懇談会やランチを仕切った財務官僚は中学から東大まで同期だった玉木国際局長だったのだから財務官僚陰謀説は疑わしい。
ワインの量をみずから検証する前にすることがあるのでは。
としちゃん
2009年02月23日 20:36
コメントありがとうございます。
事実関係を知りたいとは思いませんし、これは、どちらかというと想像の世界のことですから。
しかし、会見は中止すべきだったと思います。


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    Excerpt: これは連休前にヨドバシまでBD-ROMを買いに行ったときのことである。 Weblog: さよならの八甲田 racked: 2009-05-12 22:12