1泊2日の弾丸トラベラー  その2

前回からの続き
翌日、ホテルをチェックアウトし横浜駅へと向かう。今回の主目的は11時30分から開催される会合に出席することなのだが、それまで少し時間がある。



昨日、リーデルショップでもらったカタログを見ていると気になるグラスがあり、この際、あとで電話するより、このまま直にショップへ行きその場で注文してしまおうと、そごうへ向かった。そして、Tyrolシリーズと名付けられた足の短いグラスを前に、握った感触や手持ちの具合を確認し、気に入ったのでその場で発送をお願いすることにした。



いままで使っていたグラスは古典的な足の長いスマートなタイプだったのだが、この手のヤツはちょっと倒しただけで足が折れてしまい、ほとんど消耗品状態だった。いままで何度壊したことか、それに比べると、足が短く寸胴な形のグラスであれば、そもそも倒れる心配がない。非常に実用的なのである。見目に惑わされることなく実利に徹しようと決めたのだった。



東横線に乗り会場へと向かう道すがら、交差点毎に制服の警察官が立っていて厳重な交通整理を行っている。信号が壊れているわけでもないのに、はてさて、これは我々の会合のためにわざわざ交通整理を行ってくれているのかと思ったのだった。それだけではなく、白バイやパトカーまで巡回し万全の体制を執っているではないか。



如何に年寄りだけが数百名集まる会合とはいえ、少し度が過ぎるその警備は、あとで話を聞いたところ、同じ日に開催された日吉にある慶応の150周年記念式典のためであると言う。小泉元総理も出席することから、厳重な警備体制となったようだ。



主目的の会合は、およそ5年ぶりに会う昔の面々で盛り上がり、異様な興奮に包まれた。昔懐かしい諸先輩や同僚、果ては活躍中の後輩達と久方ぶりの挨拶を交わし、お互いの健康を祝った。パーティー形式の懇親会ゆえ、次から次へと現れる昔懐かしい方々と挨拶を交わすためには、片手にグラス、片手に食い物の皿というわけにいかず、もっぱら、片手のグラスで、杯を重ねることとなった。



そして、午後2時を過ぎる頃まで懇親会は続き、その間、食事を取ることもなく、ずっと飲み続けたのであった。



やがて、名残惜しくも、またの再会を約して、帰途に着いたのである。



再び、横浜駅に出て遅い昼食を取ることにした。午後3時頃だろうか、駅ビルの中は土曜の人混みで溢れかえり、レストランは何処も満員だったが、唯一軒、土佐郷土料理屋だけは空いていたので、他を探すのも面倒と思い、そのままそこに入った。そして、それほど飲みたいとは思わなかったが、ビールと鰹たたき定食と鯨盛り合わせを頼んだ。

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横浜で鯨を食べられるとは思ってもいなかったので、はてさて、こちらの鯨は如何な味かと注文してみたのである。聞いてみると調査捕鯨物で、この店では通年食べられるという。しかし、出てきた鯨は、引っ越し先のスーパーで入手できる新鮮な鯨 とは異なり、明らかに硬い歯触りで鯨臭い匂いもする。きっと冷凍物なのかも知れないと思ったのだった。



この店に入るとき、後を追うように4人組の年寄り達が入ってきた。そして、テーブルを囲むや大声で歓談し始めたのだった。既にかなり酔っているらしく、上着を脱ぎシャツの袖をまくり上げ、豪放な笑いと声高な会話を繰り返す内、その一人が席を立ち上がり、鯨を食べている私の方に近づくや、煩くして申し訳ないと酔った勢いで謝るのだった。



4人組がこの店に入ったときから、ピンと来たのだが、今日の慶応祝賀会からの流れだろうと思っていた。いかにもそのOBらしい放埒な性格の老人達を横目に、淡々と鯨を味わい、鰹たたき定食を食い、ビールを飲んだのだった。老人達も、もしかすると、こんな時間に食事をする一人の年寄りは、同じOBかも知れないと思い、その探りを入れるために挨拶をしてきたのだろう。



いやいや、たまたま、そちらの祝賀会と重なっただけなんですよと言いたかったが、酔っ払いに餌は禁物、たちどころに絡まれて離れなくなりそうなので、ジッと我慢し、ビールを空けたところで、店を出た。



帰りの新幹線に乗るとき、昨日来たとき寄った駅中のグランスタを覗いてみると、酒処の長谷川は予想通り客で一杯だった。カウンター席は満席で暫く誰も動こうとはしない。昨日来たときにここに座って銘酒を飲んで正解だったと思ったのである。



これから新幹線車内で駅弁を食べる気力もなく、長谷川で信州ワイン360ml瓶と、近くの総菜屋でローストビーフ盛り合わせを酒のつまみとして買い、帰りの新幹線に乗り込んだ。そして、東京駅から飲み始めたワインは、飛行機のなかで出てくる小瓶に換算するとたったの2本分なのだが、およそ、到着駅に着くまでチビチビと飲み続けたのであった。

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それはまるで、自腹で買う機内食のように味気なく思えたのだが、往きから復りまでずっと酒漬けの2日間を過ごした慌ただしくもあり嬉しくもある1泊2日の弾丸トラベラーを象徴する酒となったのだった。






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この記事へのコメント

たけちゃん
2008年11月16日 18:07
としちゃんさん、こんにちは、
弾丸トラベラー、お疲れ様でした。
今度は、Fさんと仙台トラベラーをしようと思いますので、
よろしくお願いします。
としちゃん
2008年11月16日 18:57
たけちゃんさん こんばんは
待ってますので、何時でも来て下さい。
例の居酒屋に美味い肴を食いに行きましょう。

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