魔界の金曜日  マドリードの朝

前回からの続き
ある年の夏、いまは亡き会社のY氏を誘って マドリードのJUAN のところまで出かけたことがあった。



それは、JUANから送られてくるスペイン語のクリスマスカードを何度となくY氏に翻訳をお願いしているうちに、Y氏自身がJUANにひどく興味を抱いてしまったことにも因るものだった。その年はY氏が定年退職し、その後も嘱託として私の隣に席を置いて仕事をしていたから、尚更、仕事の合間の話題にJUANの名前が挙がり、遂に夏休みを利用してスペイン旅行を兼ねたJUAN訪問計画を立ててしまったのだった。



最初は彼の奥様もご一緒に3人で旅行するハズだったのだが、奥様のご都合が悪くなり、結局のところY氏と二人で出かけることになった。HISで斡旋しているマドリード近郊を巡る1週間のツアーを出発の10日ほど前に予約し、夏休み到来と伴に、いそいそと日本を発ったのである。



当時は未だ、イベリア航空の直行便が成田から飛んでいたので、マドリードまでは乗り換えなしでおよそ14時間ほどだったろうか、途中、モスクワに給油のために着陸したから、長旅の割にはそれほど疲れずに済んだものである。



スペインは日本との時差が夏時間で-7時間あるので、成田を午後1時頃出発するとマドリードへは現地時間の午後8時頃の到着である。機内で眠らずにワインやグラッパを飲みビデオを見ていても、現地に到着すると丁度夕暮れが始まる頃で、多少夜更かしして、さあ~、これからぐっすり眠れるぞと思える時間感覚なのである。



これが米国だとこうはいかず、成田を夕方発ち飛行時間およそ8時間後にロスへ着くのだが、時差が-16時間あるから現地時間は朝なのだ。体内時計はすっかり真夜中モードで最も眠い時間帯に、ロスの空港から見る空は太陽が白々と明けて目に痛いのである。しかも、これから一日ずっと起きていないといけないわけで、まる2日間、寝ずの徹夜になってしまう。



旅をするときは、時間に対して順行する方向に出かけることが良さそうだ。時間を止めることは出来ないが時間と伴に地球を回ることによって、少なくとも数時間は寿命が延びるわけだから。反対に時間に逆行する方向に行ってしまうと確実に寿命は縮む。



さて、マドリードに無事到着した我々はホテルへとチェックインし、明日からのスペイン紀行の始まりを祝って近くのレストランで軽く祝杯を挙げ、その日は早々に眠ってしまった。

画像



翌朝、ホテルをチェックアウトしアトーチャ駅で新幹線AVEに乗りコルドバを目指す。夏にも拘わらずマドリードの朝は涼しく感じられ、日本とは異なる異国の情景の中で、私たちはホテルのドアボーイを挟んで交互に記念写真を取り合った。


次回へ続く









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