山雉の飛ぶ日

なかなか梅雨が明けず、毎日曇天が続くこの頃、多少の雨なら毎朝のランニングは欠かさず行っているのだが、 いつものように心臓破りの坂を 喘ぎあえぎ登っていると、突然、目の前を山雉が羽ばたきながら飛んでいく姿を見かけたのだった。



雉が飛ぶことは鳥類に属するから当たり前と思ってはいたのだが、実際にその飛ぶ姿を見たことはなかったし、そもそも雉そのものさえ、 この地に引っ越し してから初めて見た鳥なのだ。



3月の早朝に その鳴き声を 初めて聞いてから、 例の居酒屋の親父に 尋ねたことがある。一体あの奇妙な鳴き声を発する鳥は何という鳥なのかと。



親父は答えた。
あぁ~ あれは****幼稚園で飼っている七面鳥だよ、と。
そこの園長が鳥マニアで、園内で飼っている七面鳥を近隣の公園に放し飼いにしているんだ、と。



それを聞いて、その時は、驚きと共に憤りを感じざるを得なかった。毎朝毎朝、早朝からうるさい鳥の鳴き声を聞かせられる身にもなってくれと思ったのだった。しかし、直ぐにおかしいと思ったことも事実だった。個人であれ、幼稚園であれ、そこで飼っている鳥を勝手に公園に放し飼いにすることなど出来るわけがないと。



そして、実際にこの目で その鳥の姿を見てから、それは七面鳥などではなく山雉であると言うことを確信したのだった。居酒屋の親父の言ったことは何かの勘違いか、それとも単に酔っぱらってうわごとを言ったかの、どちらかだと思ったのである。



ただ、一つ確信が持てないことがあった。そもそも七面鳥も雉もその姿形を見分けられるほど知っているわけではなく、いずれも昔々、絵本などで見たおぼろげな記憶があるだけなのだ。だから、目の前の鳥をこれは七面鳥ではなく雉であると断定できるほどの自信はなかった。



それでも、七面鳥であれば、感謝祭の焼き鳥にするくらいだから、きっとでっぷりと太っていて鶏のように決して飛ぶことはないだろうと察しはついていた。一方、雉はと言うと、戦国時代であれば、弓矢で射る狩りの対象であったから、きっと飛ぶに違いないと思っていたのである。



そして、今日、その鳥が目の前を羽ばたきながら飛び、道を横切ったのだった。



しかし、その飛び方は、決して鳩や雀のようないかにも鳥というスピード感溢れる軽やかな飛び方とは異なり、重い身体をかなり無理矢理羽ばたいて、エッコラショットと言わんばかりの苦しさで飛ぶ、別種の飛び方であった。



それを見て、なるほどと思ったのである。この鳥は間違いなく雉であると。何故なら、そのスローな飛び方は、正に狩りの対象にピッタリなのだ。戦国時代、武士が弓矢で獲物を仕留めようとするとき、飛んでいる鳥など到底射ることは出来ない。ならば木に停まっている鳥を仕留めるのか?



それも、ノーである。木々の小枝や茂る葉が弓矢を邪魔し、狩りなど出来る訳がないと思われるし、ちょっと失敗すれば、飛ぶ鳥はあっという間に空に逃げ去ってしまう。



草原に巣食い、普段はその足で歩き回り、非常の時だけ最小の飛行をし、且つ、スローに飛ぶ。これなら弓矢の狩りでも十分に射落とすことが出来るはずだ。なるほど、信長だって、信玄だって、正宗だって、何のことはない、弓矢の名手じゃ無くったって、雉なら射ることは出来たのだ。



そう思うと、突然、この雉を食してみたいという欲望が湧いてきた。噂には聞いたことはあるが、雉鍋? 雉の焼き鳥? それを想像するだけで美味そうな匂いが立ちこめてくる。こいつを肴に地酒でグィッとやると格好の自慢話になるではないか。しかし、如何せん、弓矢など持ってはいないし、第一、公園に巣喰っている鳥だから、捕食してはいけないのだろう。どこか、近隣で雉ならぬ山鳥を食わせてくれる所を探さねばと思ったのであった。





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  • テントウ虫の夏

    Excerpt: もはや夏、昨日までの梅雨模様とは打って変わり、今日は朝から夏空が輝く。 Weblog: さよならの八甲田 racked: 2008-07-12 21:54