さよならの八甲田

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help リーダーに追加 RSS パンツとワインの微妙な関係  その1

<<   作成日時 : 2007/08/16 21:00   >>

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夏真っ盛り。 暑い! 暑い! 暑い!
夏休みなので旅行に出かけている方も多いでしょう。
そこで、今回は、旅に出かけるときに持って行く変なものについて。


いまから数年前の夏、アリタリアでミラノ経由ビエンナへ出かけた。
夏の混雑にも拘わらず、成田発12:30のAZ787便は順調にミラノマルペンサ空港に18:45過ぎには到着。ビエンナへの乗り継ぎは20:20発のAZ196便なので、約2時間ほどの待ち時間がある。


そこで、国際線のロビーにあるスタンドバーに腰掛け、早速グラスワインを注文する。本場ビアンコはキリッと冷えて夏は特に美味いのだ。サービスのブラックオリーブを食べながら小腹が減ったので、ラザーニアも注文する。気候が乾燥している土地のチーズで作るラザーニアは湿度の高い日本では味わえない粉バター風味。最後はロッソのピノノワールで締め括り。


すっかり気持ち良くなり、多少ほろ酔い加減で入国審査を受ける。飛行機到着直後の混雑はすっかり影を潜め、イミグレーションゲートに並ぶのは私一人だ。
パスポートを提示すると審査官と目が合い、赤ら顔の私を観た彼は入国スタンプを押しながら、イタリア訛りの英語で呆れたように、You are kid! と大袈裟に冗談を言うので、Yes I’m kid! と笑いながら返してやった。



ビエンナはオーストリーの首都でイタリアとは国境を挟む訳だが、EUシェンゲン協定により、域内の行き来は自由だ。したがって、最初の入国審査さえ済んでしまえばその後の移動で再審査されることはない。空港でもシェンゲン域内の発着所はイタリア国内線と同じハブを使っている。


イミグレーションゲートを抜けると、急に大勢のイタリア人たちとすれ違うこととなり、羽田空港の人混みに圧倒される息苦しさと同じものを感じる。国際線と比べて、けして綺麗とは言えないロビーの椅子に座り、ビエンナ行きの出発を待つ。往々にして出発ゲートが変更になるので、時々、ディパーチャーテーブルを表示するディスプレイを覗きに行かなければならない。アナウンスもあるのだが、雑踏に紛れて、よくは聞き取れないのだ。



このようにして、双発ターボプロップエンジンで飛ぶAZ196便は、例のごとく1時間は遅れて出発し、漸くビエンナ国際空港に到着した。夜の11時過ぎである。スーツケースを受け取るためにバゲッジターンテーブルに並ぶ。


しかし、問題はここで発生した。
私のだけ出てこない、いつまで待っても。

ターンテーブルに並ぶ他の客は、皆それぞれのスーツケースを抱え空港を出て行くのだが、私のだけは、出てこなかった。


30分も待っただろうか、やがてターンテーブルも止まったので、遂に諦め、クレーム処理窓口へ行く。
こんなことは、初めての経験だ。過去、何度も旅行したことがあるのに、ロストバゲッジになるなんて。


窓口で慣れない会話を交わし、スーツケース紛失届を作ってもらう。スーツケースの種類はサムソナイトで、大きさは40リッター位で、色はダークグリーンで、宿泊先のホテルはASTORIAでとか、いろいろ質問された。
そして、Property Irregularity Report を渡され、後日、ホテル宛てスーツケースが着くかも知れないので、この書類を保管しておくことと、問い合わせとかホテル移動がある場合には、この書類に記されている電話宛て連絡のことと言われる。



既に、茫然自失。かなり、うわの空で、あ〜、これからどうしよう、と思い悩む。
時間は真夜中の0時を回っていて、空港から市内へ行くバスはもう終了している。高いタクシーに乗らざるを得ない。チクショーと思う気持ちと、どうする、着替えも何もないぞ、手持ちの鞄に入っているのは、財布とパスポートとチケットだけだ。


そんな気持ちのままホテルにチェックインし、スーツケースが遅れて到着するので、よろしくと元気なくお願いする。

画像



ASTORIAというそのホテルは、ケルントナー通りに面する古い石造りの重厚な建物の中にある。
建物が古い分、冷房が付いていない。欧州では夏でも空気が乾燥しているので、多少の気温の上昇は湿度の高い日本ほど暑さを感じないものだが、この年のビエンナは異常気象に見舞われて、その暑さたるや、冷房がないととても我慢できない程だった。

おまけに、ロストバゲッジになってしまったので、着替えも何もない。日本から遙々、19時間以上も掛けて漸く到着し、汗だくだというのに。



バスタブに浸かり、座り詰めですっかり堅くなった痔を柔らかくして、再び汚れた下着にくるまれ、気持ち悪さと蒸し暑さに苛まれながら、浅い眠りについた。


次号へ続く









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